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【医師監修】レビー小体型認知症(DLB)とは?症状、治療法、介護のポイントを解説

『3分で読める認知症』として、『④ レビー小体型認知症』をお届けいたします。

レビー小体型認知症(DLB)は、アルツハイマー型認知症や血管性認知症と並ぶ3大認知症の一つです。

認知機能の変動や幻覚、パーキンソン症状など、さまざまな症状が見られるレビー小体型認知症は、その進行や症状が個々に異なるため、適切な理解とケアが求められます。

このブログでは、医師の監修のもと、レビー小体型認知症の基本的な症状から、治療法、介護のポイントまでを詳しく解説します。介護者としてどのような対応が求められるのか、一緒に学んでいきましょう。

1.レビー小体型認知症(DLB)とは

レビー小体型認知症(DLB)は、3大認知症の1つです(他の2つはアルツハイマー型認知症と血管性認知症)。脳内に「レビー小体」と呼ばれるタンパク質のゴミがたまり、認知機能や行動にいろいろな影響を与えます。

2.レビー小体型認知症(DLB)の症状

レビー小体型認知症(DLB)の症状はさまざまですが、以下のものがよく見られます。

  • 認知機能の変動:認知機能が時間や状況によって大きく変動します。午前中は問題なくても午後は混乱したり、会話の内容が理解できなくなったりします。
  • 幻覚:幻視が最も多く、動物や人物、風景などがはっきりと見えます。幻聴や幻臭もみられます。ハンガーにつるした服が人に見えるなどの「錯視」もよく見られます。
  • パーキンソン症状:動作がゆっくりとなったり、体が硬くなったり(筋固縮)、体が傾いたり(姿勢反射障害)します。そのため、転倒や転落のリスクが高くなります。
  • 睡眠障害:眠っているときに体を動かす「レム睡眠行動障害」がみられます。
  • 自律神経症状:立ちくらみ、めまい、頻尿、便秘、体温調節障害などがあります。
  • その他:気分が落ち込んだり、味や匂いがわからなかったりすることがあります。

3.レビー小体型認知症(DLB)の治療法

レビー小体型認知症(DLB)の根本的な治療法はまだありませんが、症状を緩和するための治療法は存在します。

  • 薬物療法:認知機能の変動や幻覚、妄想などの症状に対して、抗認知症薬(ドネペジル)や抗精神病薬(クエチアピン・リスペリドンなど)、漢方薬(抑肝散)などが使用されます。パーキンソン症状に対しては、抗パーキンソン薬が処方されます。
  • 非薬物療法::生活リズムの調整や運動療法、音楽療法など、症状や状態に合わせていろいろな非薬物療法が行われます。

4.レビー小体型認知症(DLB)の予後

レビー小体型認知症(DLB)の進行速度は個人差が大きく、平均的な生存期間は約5~8年といわれています。症状の進行に伴い、介護度も高くなります。

5.介護で大切なポイント

レビー小体型認知症(DLB)の介護には、以下の点に注意が必要です。

  • 症状の変動に理解を示す:認知機能や行動が変化しても、本人の意図を理解しようと努め、適切に対応する。
  • 幻覚や妄想への対応:幻覚や妄想を否定せず、本人の世界に寄り添い、安心感を与える。
  • 転倒や転落の予防:動作が遅くなったり、とっさに手が出にくくなるので、転倒や転落の予防に注意する。
  • 睡眠環境の整備:睡眠障害が起きやすいので、規則正しい生活習慣と睡眠環境の整備に努める。
  • コミュニケーション:わかりやすい言葉でゆっくりと話しかけ、本人のペースに合わせる。
  • 介護者の負担軽減:介護者自身の心身の健康を保ち、周囲からの支援を得ながら介護する。

レビー小体型認知症(DLB)は症状が複雑で、介護者にとって負担が大きくなることがあります。介護者は、レビー小体型認知症(DLB)の症状や治療法に関する知識を深め、適切な介護を提供することが重要です。

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