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【医師監修】血管性認知症:脳卒中が引き起こす認知機能障害

『3分で読める認知症』として、『⑥ 血管性認知症』をお届けいたします。

血管性認知症は、脳卒中などの脳血管障害によって脳への血流が悪くなり、脳細胞がダメージを受けることで発症する認知症です。

アルツハイマー型に次いで多い認知症で、記憶障害や判断力の低下、言語障害、行動の変化などが主な症状です。

治療には、脳卒中の予防やリハビリテーション、薬物療法が含まれ、進行を遅らせることが可能です。家族や介護者の負担も大きいため、適切な支援と生活習慣の改善が重要となります。本記事では、血管性認知症の症状や治療法、介護のポイントについて詳しく解説します。

■ 血管性認知症とは

血管性認知症は、脳卒中などの脳血管障害によって脳の血液の流れが悪くなって、脳細胞がダメージを受けることで起こる認知症です。アルツハイマー型認知症に次いで、第2の主要な認知症の原因とされています(研究によっては、レビー小体型認知症の方が多いというものもあります)。

■ 血管性認知症の主な症状

  • 記憶障害:最近起こったことを忘れたり、予定を覚えられなかったりする。
  • 思考力や判断力の低下:判断が鈍ったり、問題解決能力が低下したりする。
  • 注意力や集中力の低下:注意散漫になったり、集中力が続かなくなったりする。
  • 言語障害:言葉が出てこなかったり、言葉の意味が理解できなくなったりする。
  • 行動の変化:無気力になったり、攻撃的になったりする。
  • その他:歩行障害、失禁、うつ症状など

■ 血管性認知症の治療法

根本的な治療法は確立されていませんが、症状を改善したり、進行を遅らせたりすることは可能です。

  • 脳卒中の予防と治療:高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を治療し、脳卒中を予防することが重要です。脳卒中を発症した場合は、適切な治療を受けることで、脳細胞のダメージを最小限に抑えられます。
  • リハビリテーション:言語療法や作業療法、理学療法などによって、失われた機能を回復したり、日常生活動作を維持したりできます。
  • 薬物療法:認知機能改善薬や抗うつ薬などが使用されることがあります。

■ 血管性認知症の予後

症状の進行速度は個人差が大きいです。脳卒中の重症度や、脳血管障害の部位、生活習慣などによって左右されます。

■ 介護で大切なポイント

  • 安全な環境づくり:転倒やケガを防ぐために、段差をなくしたり、滑りにくい床材を使用したりする。
  • 生活習慣の改善:規則正しい生活習慣を心がけ、バランスのとれた食事を摂取する。
  • 認知機能訓練:脳トレやパズルなど、認知機能を維持するための活動を日常に取り入れる。
  • 介護者の負担軽減:介護保険制度などを活用し、介護サービスを利用する。
  • 家族や地域との連携:一人で抱え込まず、家族や地域の人々に協力を求める。

■ 家族の役割

  • 患者の状態を理解し、共感を持って接する。
  • 日常生活をサポートする。
  • 医療機関や介護サービスとの連携を図る。
  • 患者の尊厳を守る。
  • 自身の心身の健康にも気を配る。

血管性認知症は、患者だけでなく介護者や家族にとっても大きな負担となる病気です。しかし、適切な治療と介護、そして家族の支えによって、症状を改善し、充実した生活を送られます。

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