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認知症
【医師監修】3大認知症(アルツハイマー型・レビー小体型・血管性認知症)の比較
『3分で読める認知症』として、『⑧ 3大認知症の比較』をお届けいたします。
■はじめに
高齢化社会の進展に伴い、認知症の患者数は次第に増えてきています。そのため、介護者にとって認知症に関する適切な知識とスキルは、ますます重要になっています。
そこで今回は、「3大認知症」と言われるアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症を、4つの項目(原因・症状・治療・介護のポイント)で比べて、介護での理解と実践に役立ててもらえるように解説します。
■原因
- アルツハイマー型認知症:脳内に「アミロイド・ベータたんぱく質」や「タウたんぱく質」というタンパク質のゴミが、異常にたまること
- レビー小体型認知症:脳内に「αシヌクレインたんぱく質」というタンパク質のゴミが、異常にたまること
- 血管性認知症:脳梗塞や脳出血などの脳血管障害
■主な症状と特徴
- アルツハイマー型認知症:記憶障害、見当識障害(時間や場所、人の判断がつかなくなること)、判断力低下、遂行機能障害(目標を設定して行動を計画し、効果的に行動していけなくなること)。進行がゆっくりで、認知機能全般にわたって障害される。
- レビー小体型認知症:幻覚、認知機能の変動、パーキンソン症状(手足が震える、体が硬くなる、転びやすいなど)、睡眠障害。認知機能に波が見られ、特に夜間に症状が悪化しやすい。
- 血管性認知症:突発的な症状の出現、記憶障害、失語(話せなくなったり聞いても理解できなくなること)、片麻痺。脳卒中を起こしたことがあったり、症状が部分的であったりする
■治療
- アルツハイマー型認知症:症状の改善薬のみ、根本的な治療法はまだない
- レビー小体型認知症:症状の改善薬のみ、根本的な治療法はまだない
- 血管性認知症:生活習慣の改善、脳梗塞の再発予防
■介護のポイント
- アルツハイマー型認知症:認知機能障害の段階に合わせた個別ケア、生活習慣のサポート
- レビー小体型認知症:幻覚や抑うつへの対応、夜間の徘徊対策、薬のタイミング管理
- 血管性認知症:早期のリハビリテーション、転倒予防、脳卒中の再発防止
■まとめ
3大認知症はそれぞれ原因や症状、治療法、介護のポイントが大きく異なります。介護者は、各認知症の特徴を理解し、個々の患者さんに合わせた適切なケアを提供することが重要です。
今回紹介した内容を参考に、日々の介護に役立ててもらえるとうれしいです。