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認知症
【医師監修】認知症の見当識障害(失見当識)
『3分で読める認知症』として、『⑪ 見当識障害』をお届けいたします。
認知症介護において、見当識障害(失見当識)は介護者にとって大きな課題です。適切な理解と対応がなければ、認知症の方と介護者の双方にとって負担が増し、悪循環を生み出す可能性もあります。
■ 認知症における見当識障害とは?
- 時間や場所、人物などの状況認識能力が障害される症状
- 認知症の進行とともに悪化する傾向
- 認知症の中核症状の一つであり、早期発見と対応が重要
■ 見当識障害の症状と種類
- 時間の見当識障害:今日が何日か、今が何時かわからない
- 場所の見当識障害:自分が今どこにいるのかわからない
- 人物の見当識障害:家族や友人の顔がわからない
■ 見当識障害の進行段階
- 軽度:日付や曜日は間違えることがあるが、場所や人物は理解している
- 中度:場所や季節がわからなくなることがある
- 重度:時間と場所、人物がすべてわからなくなる
■ 見当識障害の対応方法
- 認知症の方一人ひとりに合わせた個別ケアが重要
- カレンダーや時計を活用し、時間や季節を理解しやすい環境を作る
- いつもと違う行動や言動に気づいたら、優しく声をかける
- 無理に現状を認識させようとせず、共感的な態度で接する
- 徘徊(はいかい)などのリスクを減らすために、適切な見守りを行う
■ 家族や介護職員が心がけるべきこと
- 認知症に関する知識を深め、理解を深める
- 認知症の方とのコミュニケーションを大切にし、信頼関係を築く
- 常に認知症の方の視点に立ち、共感的な態度で接する
- 関係者とチームで連携し、情報共有を徹底する
- 介護の負担を一人で抱え込まず、周囲に相談する
■まとめ
認知症の見当識障害は、認知症の方と介護者の双方にとって大きな負担となることがあります。しかし、適切な理解と対応によって、症状を軽減し、穏やかな生活を送ることは可能です。
家族や介護職員は、認知症の方一人ひとりの状態に合わせた個別ケアを心がけ、常に共感的な態度で接することが重要です。
また、介護者自身の知識や理解を深め、多職種のチームで連携しながら、認知症の方にとって最善のケアを提供できるよう努めたいものです。