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【医師監修】軽度認知障害(MCI)とは?症状・治療法・介護者の役割を解説
『3分で読める認知症』として、『②軽度認知障害』をお届けいたします。
軽度認知障害(MCI)は、加齢に伴う正常な物忘れを超え、日常生活には大きな支障をきたさないものの、認知機能が低下した状態を指します。MCIは認知症の前段階と考えられますが、必ずしも認知症に進行するわけではありません。
本記事では、MCIの種類、症状、治療法、そして介護者が果たすべき役割について詳しく解説します。
早期発見・早期治療が重要なMCIについての知識を深め、適切な支援を行うための参考にしてください。
軽度認知障害とは?
軽度認知障害(MCI)は、加齢に伴う正常な物忘れを超えていますが、日常生活に支障をきたさない程度に認知機能が低下した状態を指します。認知症の前段階と考えられていますが、必ずしも認知症に発展するわけではありません。日本における軽度認知障害(MCI)の患者数は、2022年の時点で558万人と推定されています。
軽度認知障害の種類
軽度認知障害(MCI)は、主に以下の2つに分類されます。
- 記憶障害型: 記憶力の低下が主な症状
- 非記憶障害型: 言語、実行機能、視空間認知などの障害が主な症状
軽度認知障害(MCI)の症状
- 以前より物忘れが多くなった
- 予定や約束を忘れる
- 同じことを何度も尋ねる
- 複雑な作業が難しくなった
- 時間や場所の感覚が鈍くなった
軽度認知障害(MCI)の治療
軽度認知障害(MCI)の治療法は確立されていませんが、進行を遅らせる効果が期待できる薬物療法や、認知機能訓練、生活習慣改善などの方法があります。
軽度認知障害の予後
軽度認知障害(MCI)の予後は、種類や症状の程度、年齢、生活習慣などによって異なります。軽度認知障害(MCI)の方の約5~15%が毎年、認知症に進行するとされています。一方で、適切な治療や生活習慣の改善によって、軽度認知障害(MCI)の人の約16~41%は健常状態への回復が見込めます。
介護者の役割
介護者は、軽度認知障害(MCI)の方の日常生活を支援するだけでなく、認知機能の低下に気づき、早期発見・早期治療につなげる重要な役割を担っています。
- 日々の会話や行動から、軽度認知障害(MCI)の兆候を見逃さない
- 認知機能訓練や生活習慣改善などの支援を行う
- 本人や家族に寄り添い、不安や悩みを聞く
軽度認知障害(MCI)は早期発見・早期治療が重要です。介護者は上記のような知識を身につけることで、軽度認知障害(MCI)の方の生活を支え、QOL(生活の質)向上に貢献することができます。